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もっと欲しいっていってごらんなさい。

3年程続けたブログからお引越し。更新頻度は減ってもやめられない。
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DATE:04.26.17:32
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  • 04/26/17:32

DATE:04.04.14:15
旅立つ

 それは今年の初め。
 私は大物宅に一人で呼ばれ、江戸きりこに注がれた地酒をご馳走になっていた。


カル「今年は喪中の方が本当に多いんですよ。」

 大物は、人間と文化に関する学問の権威でもある。もちろんそれは、彼のもつ多くの顔のほんの一部であるけれども。



大物「こういうことには、周期というのがあるんだ。
    今年は多いよ。特にね。」



 健康自慢の大物は、昨日、原因不明のめまいで運ばれたという。
 大物だけでも、その「多い」に入らなくてよかった。







 3月も終わり。母が電話口で慌てている。




 故郷で親戚たちと大紛争をしているとき、父の臨終間近のとき、たった1人、全ての計画を明かしている相手が居た。

 その女性は寡黙だがよく働き、一年間に渡って、母の夜逃げの準備を手伝ってくれていた。


 その女性の名で故郷から運ばれてくる荷物を、私は淡々と倉庫に運ぶ。



 女性は年下の旦那様とは、よく喧嘩し、仲むつまじい様子。




 いよいよ父が亡くなった日。
 その女性は堀の深い、綺麗な顔立ちをしており、クオーターの母とよく似ていたため、母の親戚として式の受付にたってもらった。



 親戚たちから、お香典を守るため。
 まぁ、親戚たちは私たちの厚い警備に阻まれた腹いせに、数十万円もの無駄な食べ物を私たち付けにして注文し、口に運んでいたけれどね。




 式が終わり、いろいろな事情で親戚に包囲された母と私はホテルに身を隠し、顔の割れていない女性の旦那様に、手続きをしてもらった。



 ほとんど、女2人所帯だったので、男手が必要なときはその旦那様が今はなき実家に来てくれていた。
 そして、自分ではなく、息子に手伝わせて手柄だけ持っていく。
 彼が愛されるべきお調子者なのは、その全ての行動が皆にばれているから。
 ばれるのは、彼の人柄のよさからくるものだからだ。






 今は東京の母の手。握られた電話から告げられたのは、女性の旦那様が急に亡くなったという知らせ。

 

 元気に仕事に出かけ、急な発作。亡き骸で帰宅した。

 女性は珍しく取り乱していた。
 


 私は早急にやるべきことを伝えただけで、その日、異国からやってきているフランス人に会う予定があった。




 ご逝去、40代だ。
 彼が亡くなった夜、私と母は、珍しく22時には床についた。

 私はステレオをつけようとしたら、急に壊れてしまった。
 音が鳴らなくなったステレオを見つめ、眠った。



 そんなことを思い出しながら、フランス人の彼の元に行く。
 
 コーディネートも考える余裕がなく、緑のコートに赤のハイヒールだなんて、クリスマスのような格好をし、ジェルライナーを使っていたのに、途中からリキッドのライナーを使っていた。



 しばらく英語から離れていた私に、容赦なく早口でジョークを言い続ける彼に、私は笑顔を貼り付けて接した。






 旦那様は、普段、失礼だが、助言というものをする人ではない。
 女性は、普段、悩みを誰にも話さない。

 亡くなる前日、女性は珍しく悩みを旦那様に話した。
 旦那様は珍しく助言をした。



「お前、あの時から強く生きていくって決めたんだろう?
 もっと強くなって、進み続けるんだろう?それが生きていくということの
 大きな意味の一部じゃないか。」




 
 私はそのことを聞いて驚いた。
 女性の旦那様は決してそんなことを言うようなタイプの人間ではないのだ。
 彼自身、次の日に自分が亡き骸で帰宅するなんて、夢にも思っていなかったに違いない。




 
 私は急に自分の恋人のことが気になった。
 恋人は、相変わらずの多忙スケジュールのなかで、スポーツのインストラクターをしてみたり、肉体労働の現場に急に呼ばれたり、忙しく今の休みを利用してお金を稼いでいる。


 恋人にメールで、大事な人が亡くなったこと、だからあなたが心配だということ、それを伝えた。



 恋人は、私の母と対面したばかり。私の人生始まって始めてのことだ。
 母のめがねにかなうことも、初めてのことだ。




 恋人は、私の深く考える癖が心配だといいながら、君をおいてどこかに行ったりはしないから、安心するように。と私をなだめた。



 
 桜も散って、院の方もあわただしくスタートを切ろうとしている。
 私は週に6日は講義がある。残りの一日も、休むことは不可能に近いだろう。


 だけど、たまには、休む日を決めてでも院を休もうと決断している。
 今年に入って、ずっと悩まされているストーカーの件も、ありとあらゆるコネを使い、警察に動いてもらった。


 強く生きていくんだ。女性もきっと強く生きていく。

 そのためには私が健康でなければ。
 楽しく生きていなくては。


 
 人間の命は、儚かったり強かったり。それでも女性の心の中に生き続けて、たまに励ますのだと思う。 
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無題

そだよ~。人生はあなたのものなんだし、短いんだし、楽しく生きなきゃ意味ないよ~。強く強く。悲しんでる暇はないよ!

  • 2008年04月08日火
  • neco
  • 編集
Re:無題
☆necoさん☆
 この、月日の流れの早さからも、人生は短いと思いますねえ。
 私はそんなに悲しんではいないのですが、もっと貪欲に生きていこうと決意を新たにさせてもらった出来事でした。
 ありがとうございます!!!
2008/04/14 16:09

強くたくましく

いざとなれば 女は強いのよ。
強いと思っていたのに
はかなかったりもするから
それが魅力になったりして。。。。
( 男性は繊細なのに強いから
  魅力がある?)

自分の人生は自分のもの。
使いたい放題の大判ぶるい。
愚かにも賢くも こざかしくにも
生きていける。

その中で自分がどれだけ居心地よく
生きてゆけるか、他人にわずらわされることも
わずらわせることもなく
胸をはって生きてゆけるか。

命は短いけれど
したことは残ってゆく
悔いの無いように生きてゆきたいね。

Re:強くたくましく
☆バロンさん☆
 それが、この女性、いざとなって、悲しさでぼろぼろになってしまって。。。聞いていられませんでした。それでも、ご子息がしっかりサポートなさっているようで安心。サポートがあるから、女性も感情をさらけだせたのかな、と思うと私も救われる思いでした。
 確かに。男性は繊細だけど、強いけれど。。。それが魅力に繋がりにくい?女性のギャップは同性からも魅力的に。

 バロンさんの仰るとおり、人生の最期に悔いのないよう、充実させて、強く、何倍も楽しんで生きていきたいと思います。
2008/04/14 16:16
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